iPhone Xが入手困難になるという見方は、決して一部にみられる悲観的観測というわけではなくなってきました。複数のアナリストが次々と、iPhone Xは2018年まで品薄状態が続くとのレポートを発表しています。理由は、顔認証を行うTrueDepthカメラの歩留まりが悪いことが原因だと考えられています。
Nikkei Asian Reviewに、iPhoneのパーツを担当するサプライヤー関係者が語ったところによると、11月3日に発売予定のiPhone Xは、3Dセンサー(TrueDepthカメラ)を担当しているメーカーがAppleの基準を満たす製品を安定して量産することができていないそうです。実際にAppleがどのくらいの台数を発注しているのかは不明ですが、現時点では1日に数万台レベルの量産しか行えていないとのことです。
鈍い出足となったiPhone8シリーズですら、中国の特定キャリアだけで3日間で100万台ほどの予約があったとなれば、このままでは10月27日から始まる予約を到底満たすことができません。
台湾のアナリストであるジェフ・プー氏も、10月第2週からiPhone Xは量産が始まり、第3週には中国から出荷されるものの、11月3日以降も供給は乏しいままだと指摘します。
プー氏によると、Foxconnが独占的に組み立てを請け負っているiPhone Xは、9月で200万台、10月で1,000万台が生産され、年末までには生産台数の合計が4,000万台に達する見込みだそうです。品薄が続いたiPhone7/7 Plusが年内に約7,500万台生産されていたことを思うと、その半分ほどの4,000万台というのは随分と寂しい数字です。
iPhone Xの量産体制が、TrueDepthカメラのおかげで危ぶまれていると指摘するのは、KGI証券のアナリストであるミンチー・クオ氏も同様です。クオ氏はiPhone Xの初期需要が5,000万台に達するとし、本格的な量産は10月より開始されるものの、品薄状態は2018年前半まで続くだろう、と予測しています。
また、サプライヤー事情に詳しいDigiTimesも、当初の計画に対して40%しか出荷できていないとし、複数のサプライヤーにパーツの出荷調整を行うようAppleが指示した、と伝えています。
ひとまず、クオ氏の情報とNikkei Asian Reviewの情報とを照らし合わせると、初回予約に成功すれば、4,000万台が生産される年内までには届くかも知れない、といったところでしょうか。
Source:Nikkei Asian Review