今年の新型iPhoneは、9月22日にiPhone8/8 Plusが、11月に有機EL(OLED)ディスプレイを搭載しデザインが刷新されたiPhone Xが発売されます。特に、iPhone Xは入手困難になることが確実視されています。
なぜ、毎年売れるとわかっているのに新型iPhoneは品薄になるのでしょうか?米メディアWall Street Journalが、その理由を考察しているのでご紹介します。
事前に予測されていたとおり、iPhone8/8 Plusは比較的安定して供給されるのに対し、iPhone Xが品不足になることは確実視されています。
毎回、新製品発売のたびに品薄になるのは、Appleによる計算され尽くした話題作りなのでしょうか?
Wall Street Journalによると、その理由は大きく分けて以下の3つです。
発売前に予約期間を設けるシステムは、Appleのような製造業にとって、需要を予測するための重要な情報源となります。
しかしiPhone Xのように、価格が大幅に値上げされ、前例となるデータがない場合には、需要を予測するのは非常に困難になります。
さらに今年は、iPhone XとiPhone8/8 Plusが同時期に発売されるのに加えて、既存のiPhone SE、地域によっては値下げして販売継続となるiPhone6s/6s Plus もあるので、事態は一層複雑で、需要予測を立てるのはさらに難しくなるようです。
共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏がそうであったように、Appleは製品の品質やデザインに完璧主義を貫くことで知られます。
完璧な製品を目指すが故に、Appleは製品の設計を突然変更することが多いことでも知られています。
数多くの部品が組み立てられて成り立つiPhoneなどの製品では、ネジ穴の位置をほんの少し変えるだけで、製造プロセスのあちこちに影響が出ます。
iPhone Xのような新デザインの製品は、直前での設計変更が相次ぐため、本格的な量産に着手できるのが遅くなる傾向があるようです。その一方、iPhone8/8 Plusのような、既存の設計を引き継ぐ製品では発売当初から十分な出荷数量を確保できることが多くなります。
iPhone Xは、NAND型フラッシュメモリとOLEDディスプレイという重要部品の品不足の影響を受けると見られます。
NAND型フラッシュメモリについては、ニンテンドーSwitchを発売した任天堂とAppleの奪い合いになっているとも言われています。
iPhone Xに搭載されるOLEDディスプレイは、現在は世界最大の製造能力を持つSamsungの独占供給となっていますが、AppleとしてはLGなど他サプライヤーからの調達を増やすための投資も始めていると伝えられています。
iPhone Xは、2014年以来のデザイン刷新モデルであり、10周年記念モデルということもあり、世界的に注目を集めています。
その一方で、上記のような理由から、発売当初は相当な品薄状態が続くことが確実視されていますので、確実に入手したい方は、10月27日の予約受付開始と同時に予約して、入荷連絡を楽しみに待つ、というのが良さそうです。
Source:Wall Street Journal